美白スキンケアを極める

2012年11月06日

ゴチメ感想文

ベリントランプもろた。
 ゴティックメード、見ました。
 「ええい早く連載再開せんか永野!」という資格を得るには見なきゃいけないと思ったからね!

 結論として「ありがとう永野。7年も掛けてこのアニメを作ってくれて、本当に有難う永野!」です。

 ネット上で取り交わされている「大きなネタバレ」は実のところ大したことはない。ちょっと気の利いたFSSファンなら設定公開の時点で「ははーん」と気が付いてるはず(某女子の登場には驚いたけど)。
 ゴティックメードがFSSファンに与えた衝撃はそこではないと思う。

 一番端的なものを上げるなら、ベリンが「顎を上げてつま先から接地する歩き方」をする。
 そこである。

 言うまでもなく、FSS第三話アトロポスの章でブラフォードがソープの足跡を見て言った言葉である。「王族っぽいね」と。
 全然想像つかん。どういう歩き方だ。こうか? こうなのか!? と、家でこっそり歩いた者は数知れず(自分含む)。
 その歩き方を、永野護自身の原画で、ベリンが見事に歩いている。
 顎を上げ背を反らし、つま先を伸ばしてすっと前に出す。つま先から地面に降り、踵までつける間に体重を移動させ、前に進む。頭や胸の位置が上下せず、前に滑るように移動する。神秘的な儀式のような歩き方。
 予告編やPVでベリンと侍女たちが石窟から出てくる歩き方でもある。一歩一歩をしずしずと進む。それと同じ歩き方で、ベリンが茜色の大地を歩き種を蒔く。

 全部が永野護の世界観で出来ている。設定やデザインやストーリーというレベルではない。少女の歩き方一つまで、何もかもが永野護そのもの。

 高貴な少女はどのように歩き、どのように舞うのか。
 ウォーキャスターの超人的な剣技は、どのような動きを基本にしているのか。
 巨大ロボットが立ち上がる時、どの関節がどのように動くのか。

 「なんでロボットがスライドするみたいに動くの。ガンダムみたいに重々しく動いてよ」とか、もうね。アホか!と。
 あれはああ動くものなの! でっかいロボットが、人間と同じように筋肉の収縮と体重移動で動くわけないでしょ! 可動フレームと高出力で巨大な装甲を移動させて、『立たせている』からああなるの!
 そういうのを見て、「そうなんだね、見せたかった世界はこれなんだね!」と受け入れられる人間には死ぬほど面白く、
 「今風の、重量感ある人型兵器の殴り合いや、カメラフィルタバリバリかけた映像や、斬新な構図の切り取り方を見せてください」という人にはものっすごく退屈。
 そういうのは、ない。今風とか、流行とか、最先端技術を駆使した映像とかは、ない!
 ここにあるのは、30年前から常に不動であり続けた純然たる「オリジナル」である。

 あ、最新技術はあった。
 なんか、映画館で見るにしても異常にくっきりしてる……と思ったら、映像がフルHDどころか4Kで制作されているらしい。上映館に5分持ち込むためにビットレート落としまくってようやくBD一枚に収まったとか。
 ご自宅に4Kモニタが無い限り、そして、4K映像をそのまま収録できるメディアが開発されない限り、あの映像は劇場でしか見れないのです。
 分かったらさっさと劇場行って来なさいってこった。

 音も素敵だよ。

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