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2007年8月 8日

銀桂を語ってみようじゃないか

 銀魂サイトはヅラ系しか巡ってないんですが(つーか、他まで回ってる時間ありません)(ヅラだけで手一杯です、土さんとか巡ろうとしたらニートになるしかありません)、19巻感想で『銀さんが真選組隊服着たのがショック』というのをチラホラ見かけ、『あー、なるほどなー』と思いつつ、別に自分はさほどショックでなかったのはなんでかなー、とか。考察。


 いや、動乱編は人から伝え聞いた内容ばかりで、その前提の下で見ると『なんだ、思ってたよりベタベタしてないな、銀さん』と感じたのが最大原因だと思うんですけど。もっと馴れ合ってると思ってた。隙あらば帰ろうとしてるし、意外にドライねアンタみたいな。アニメ紅桜のウェットな銀さん見た後だとなおさらに。

 おいらの中では、紅桜以降のヅラは、もう本気で銀さんを攘夷に引きずり込む気はないと思うんですよ。『今のままでいい』と認めちゃったわけだし。春雨事件や万事屋とのキャッキャウフフを通して、『何も捨てない』『何も曲げない』銀さんに改めて惚れ直して(と言っておこう)、『じゃあいいよ、そのままで。その代わり、その子達捨てたら今度こそアレだからな』みたいな。
 自分が過去銀さんから捨てられたからこそ、今の銀さんの大切なものを守ってやりたい。もう、同じ志で生きていけないのは分かってるし、それを強制することもしたくない。昔みたいに『自分の背中だけを守って欲しい』と言うのは今の銀さんを否定することだから、ちょっとだけ思ってても絶対表に出さない。
 最初は、まだイケるんじゃなかろうかとアプローチしてたけど、紅桜事件で新八や神楽まで自分の心配をしてくれたのを見て、ああ、やっぱり今の銀さんの生き方を変えさせることは出来ないな、と。高杉とも完全に袂を分かち、一人ぼっちになってしまったけれども、それも仕方ないな、と。全部受け入れたんじゃないかな、と。銀さんに『お前はそれでいい』って認めてもらえたから、それでもう十分、と。……切ねえな。

 銀さんは銀さんで、ヅラに対して『攘夷やめろ』とも『俺が守ってやる』とも言えないんだと思う。
 ヅラが攘夷に囚われてるのは分かってるけど、そこにヅラを置いてきちゃったのは自分だから。
 ここら辺はSSとかでも書くつもりですが、銀さんはヅラの(志の)ために逃げ出して、だからこそ、ヅラを置いていくことを苦しんだんだと思う。ヅラを連れて地獄から逃げだすことも出来ず、ヅラと一緒に地獄に落ちることも出来ず、ただ一人で置いてけぼりにしたことが辛くて辛くて、だからこそ、『もう思想もイデオロギーも関係ない。守りたいと思ったものは全部守る。それで自分がつぶれることになったとしても、何一つ捨てない』と思うように至ったんじゃないかと。
 だからこそ、今のヅラに『俺が守ってやる』と言うことができない。一人で戦い抜いてきたヅラの数年間を否定できない。そうやって生きろとほっぽり出したのは自分だから。本当はすぐ傍に行ってやりたくても、行けない。行く資格がないと思っている。

 ……及川光博の『フィアンセになりたい』が、自分的銀→桂ソングなんですよねー。
 本当は誰よりも傍にいたい。でも、ヅラだけのために生きるなんて出来ない。でも、ヅラを見捨てることも出来ない。
 そうやって何もかもを背負って、潰されそうになって、自分を傷つけて、それでも逃げ出してあんな辛い思いするよりはマシだ、と思ってる。
 そしてヅラは『銀時はそれでいい』と認めてしまう。自分の傍にいてくれないこと、志を違えたこと、全部受け入れて腑抜けた銀さんとキャッキャ遊んでる。
 ……辛い……銀桂辛いよ……!

 私の場合、最初っから銀桂はこういうイメージ(すでに一度離婚したカップル)なので、いまさらちょっと敵に手を貸したくらいで、ヅラはどうこう思わんだろう、みたいな。寂しがるとは思うけど。胸が痛むとは思うけど。
 でもそれよりも辛いことが銀桂の間にはあると思うので。