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2007年10月22日

書きかけ放棄ぎんづら

 先週のジャンプ読んで思いついたぎんづらSS。
 ですが、書き上げる前に月曜になっちゃった上、どうやってもこのSSの銀さんと原作の銀さんが繋がらないため、途中放棄。
 死蔵するだけなのも寂しいので、戯言扱いでアップしちゃえー、みたいなー?

 ねちっこいヅラと膝枕と『あーんv』が書きたかっただけなんだ……


大体貴様は常日頃から不注意なのだ安易に人を信用しすぎるし隙が多過ぎるそこをつけこまれおってこの虚け者めが偶然エリザベスが通りがかったからいいようなものの悪党の類だったらどうする薄い財布が更にぺったんこになるだけでは済まされぬのだぞこら寝るな話は終わっておらんまず貴様はな仏壇に置いてある菓子は全部食っていいと勘違いしていたと言うところからしておかしい痛んでるとは思わないのか高杉んちの草餅食って腹下したのを忘れたか俺はよく覚えているぞ十の夏のことだ夕立が酷くてな駆け込んだ高杉の座敷で手拭いで髪を拭いていたらああ草餅があると言って俺が止めるのも聞かず一口で食ってしまいおったあの家は食べ物を捨てる前に一度仏前に置くのだ吝嗇だが合理的でもあるだから俺は止めたのだだというに貴様と来たらせめてよく噛んで食えばいいものを丸呑みにしおって大体甘味好きならその甘みを舌でよく味あわんかそうすれば異変に気付いたものを人の味覚が何故これだけ発達したのか知らんのか食ってよいものと悪いものを判断するためだぞ一口で食ってしまってはその意味がないだろうが後から判明したことだがあの草餅本来は大福だったらしい青かびだな黒かびでなくてよかったな黒かびであったら今頃お前生きてはいるまいて痛んでいたことには間違いないがな知っているか青かびはペニシリンという抗生物質を生産し細菌の動きを抑制するのだつまり青かび自体が原因で食中毒になるということはない異国ではむしろ醍醐の熟成に利用されたりもするお役立ちな菌類なのだしかし青かびが生えている食品と言うものはほかのかびや菌も繁殖していると見て間違いないお前はそのほかの菌にやられたのだ三日寝込むだけで済んだのはむしろあれだけ大量に青かびを食ったからだと言えよう不幸中の幸いと言うヤツだんん?そうすると貴様青かびに救われたと言うことになるなよしこれからは青い大福は積極的に食っていけなあに他の菌類がいたとてお前が死ぬことはあるまいよこのような目にあってもピンピンしておるのだからむしろ食えるものが増えて助かるであろうだがリーダーや新八くんに食わせてはならんぞいいかまず免疫と言うものはだな
「うるせーーーーー!! ネチネチネチネチ超うるせーーーーーー!!! 寝かせろこのバカ! ボケ! ヅラ!」
「ヅラじゃない、桂だ! なんだ人が有り難い話をしてやっていると言うのに!」
「ありがたくねーよ単なるカビ講座じゃねえかよ! どこまで続くんだよ、それ!」
「お前が戦中に黒かびの生えた握り飯をごま塩だと食おうとしたところまでの予定だが」
「10年!? 10年経ってるよ、高杉んちの草餅からごま塩まで! その間に銀さんの怪我治っちゃうよ!?」
「いいことではないか」
 確かに。
 川から排水溝へと這い上がったはいいものの、毒が回り気を失った銀時を拾い上げたのは、かの白いオッサンらしい。坂田銀時一生の屈辱。目が覚めたときには、布団の周りをぐるりとオッサンどもに囲まれていて悲鳴を上げたものだ。
 看病してくれるなら若い女の子とか入れてくれよ、怖いよ。
「何? 歓迎されてないの、俺。されても困るけど」
「されるものか。つい先日まで、芋侍どもの間者だと思われていたぞ。次に現れた時には、素っ首掻き切ってやるとか」
「……マジでか」
「別の間者が捕らえられてとりあえずの疑いは晴れたがな。エリザベスの弁護もあったし」
「…………え?」
「エリザベスが貴様を庇ったのだ。よい子だろう?」
「庇われたくねえええーー! 何、どうして、どういう風に!?」
「幾度か芋侍どもから匿ってもらったことがあっただろう」
「幾度かっつーかしょっちゅうね、下手すりゃ週一であるよね」
「それをエリザベスが涙ながらに美談として語ってな。それはもう皆感涙し、さすがは白夜叉天晴れなことよ桂小太郎の伴侶となるはあやつしかいないと」
「待て」
「つーことでこの際だ、この血判書にぽーんと」
「伴侶ってなんだ」
「今なら、布団圧縮袋5枚つけるから。冬物衣類にも使えるぞ」
「お前んとこのおっさんら、俺をなんだと思ってんだ」
「洗剤の方がいいか」
「人の話聞けェッ……って、あだだだ……」
 起き上がろうとして思いっきり傷口を捻り、布団へと逆戻りする。
「ほら、言わんことではない。腹をやられているのだから、素直に寝ていろ。ああ、手が血が汚れて……これで拭うがいい」
「ああ、わりぃな……って、これ血判書ーーーッ!」
「……チッ」
「楽しいですか! 大怪我している銀さんいじって楽しいですか!」
「だから、こんなことで大怪我するお前がバカなのだ」
 桂が銀時の首まで布団を引き上げ、寝かしつけるようにぽんぽんと叩く。
「知らない人からもらった食べ物を食うなと、あれほど言っただろうに」
 ……そんなお母さんのようなことを言われても困る。
 痛ましげに眉を寄せる桂の顔を見たくなくて、首をねじる。
「……神楽と新八は?」
「無事だ。エリザベスを通して、今回はこちらでなんとかする故、今は不用意に動くなと伝えてある」
「すまねえ」
「謝るな、キショイ」
「キショイはねえだろ! 素直にそう思ってんのによ!」
 からりと襖が開いた。
『おかゆが出来たので持ってきました』
 白いオッサンがお盆と看板を持って現れた。
「ん、ご苦労。そこに置いておいてくれ」
『お体大丈夫ですか?』
「ほら、銀時。礼を言わんか」
 やなこった。なんでこんな謎の生物に頭を下げなければいけないのだ。
「ぎーんときー!」
「痛い痛い痛い! 耳引っ張るな!」
「エリザベスは貴様の命の恩人だぞ! 恩人に礼も言えんのか、貴様は!」
「はいはいありがとうございます助かりました!」
『当然のことをしたまでです』
「全く……エリザベスの方がよっぽど礼節を弁えておる」
 白いオッサンがぺこりと頭を下げて下がっていく。残された膳に乗っているのは、小さな土鍋で作られた粥とネギなどの薬味が少々、それに水と薬包。
「人は衣食足りて礼節を知る。とりあえず、食うことだ。体力を付けねば怪我も治らん」
 かぱりと開けられた鍋の中身は、真っ白な白粥。
「……肉食いたい」
「毒を食らったのだろう、貴様。でとっくすだ、でとっくす」
「お前、デトックスがなんだか分かってねえだろう」
「水分や野菜を取って、毒を追い出すのだろう?」
 合ってるし。
「そばが良いかと思ったのだが、寝たままでは食いにくいと思ってな。よいしょ、と」
「え? あ……おい?」
「ほら、あーん」
 桂がにじり寄ってきたかと思うと、あっという間に銀時の頭は膝の上に乗せられ、傾けられた口元に匙で掬った粥が近づけられる。
「……ヅラ?」
「あーん」
「……えっと……」
「熱くて食えんか? ふーふーしたほうがいいか?」
「これ、恥ずかしいんですけど!」
「怪我人は黙って食え」
 ダメだ。完全にお母さんモードだ、こいつ。仕方なく口を開くとやや冷めた粥が流し込まれる。もぐもぐ。
「旨いか?」
「味が薄い」
「醤油か? 塩か?」
「塩。あとネギとショウガ入れて」
「ん」
 かちゃかちゃと桂の片手が動く。二口目は薬味と塩で膨らんだ米の甘みが、銀時の舌に豊かに広がる。
「旨い」
「そうか、よかった」
 あーあ、そんな嬉しそうに笑っちゃって。
 かちゃかちゃ。もぐもぐ。
 かちゃかちゃ。もぐもぐ。
「……あのさぁ」
「なんだ?」
「お前の父ちゃん、元気?」
「貴様、葬式に来ただろう」
「それ、桂さんちのじいさんだろ。そうじゃなくて、実家の」
「とっくに死んでるぞ?」
 かちゃかちゃ。
「どうした、口を開かんか」
「……初めて聞いた」
「死んだのが戦も詰まった頃だったからなあ。俺も葬式には出ておらんし、墓にも行ってない」
 なんでそんな、どうでもよさそうに言うのだ。
「なんだ、もう腹いっぱいか? 食わんのか?」
 ぐいぐいと唇に匙を押し付けられる。べとべとするからやめろ。
 根負けして、ぱくりと一口で飲み込む。
「墓参りくらいしろよ」
「お前はしているのか?」
「…………」
「すまん、変なことを言ったな。何、正直に言えば合わせる顔がないのだ。泣く親を振り切って戦に出た身としてはな」
「それでいいのか?」
「よくはない」
「会いたくなかったのか」
「会いたかったさ」
 変なことを言うなあ、貴様。
「後悔してねえのか」
「しておるよ。死に目に顔を見せぬとはとんだ不孝者だ。だが、どうしようもあるまい。手紙が俺の手元に着いたころには死んでいたそうだし、親とは言え勝手に死ぬものにひとつひとつ気を配れとはいかぬものだ」
「……いや、だってさあ」
「貴様とて、勝手に死にかけたではないか」