2008年4月26日
あの人、ただのバカだよな
沖田は近藤さんがいればいい。
土方も近藤さんがいればいい。
そして、近藤さんも沖田や土方がいればそれでいいわけです。
剣を持つ以外の生き方を選べない、今の世では行き場のないならず者やチンピラを寄せ集めて、なんとか形にしてやれる。それが近藤さんに出来ることの限界なわけで、その武力集団をどうやって時代の中で生き残らせていくか、ってことを考える能力は、これっぽっちもない。
だからこそ、周囲が『俺がいてやらなくちゃダメだ』とついてくる訳なんだけれども、飽くまで『チンピラのリーダー』の器であって『大将』の器じゃないんだよ。『部下に反乱を起こされるのは、大将に問題がある』ってのは合ってるんだよ。
だって、近藤さんについてくだけじゃ、遠からず滅びるもの、まえら。集団の首を落とさなきゃ生き残れないってなら、首を落とすのが賢い個体の役目だ。
カモちゃんのやり口は小物にもほどがあるし、視野的にも狭いんだけれども、カモちゃんみたいに『生き延びるにはどうすればいいか』ってのを考え、かつ実行できる人間が一人もいないのは問題なわけよ。
空知がこういうのをどこまで分かってやっているのか、時々分からなくなる。
キャラクターに対する愛情は疑いようもないのに、反面すごくドライ。『人としては魅力的だけど、○○としてはダメ』っていうのを、本当に情け容赦なく描く。
動乱編における近藤さんの『確かについていきたくはなるけれど、リーダーとしてはただのバカ』っぷりは、本当にもう、ね。
もっさん&快援隊みたいに『思想と理想のためなら、頭を切り捨てることにもためらいはない』組織や、ヅラ&攘夷党みたいに『基本は思想についていくが、リーダーの人柄にも引き寄せられている』組織に比べると、本当に近藤さんの人柄以外の求心力がないってのがね。
鬼兵隊も高杉のカリスマ一つでまとまってる感があるけど、それでもあそこにはバンバンの青臭い理想論や似蔵の行き場のない破壊衝動に方向性を与えるだけの自由度があるからな。
まえらは近藤さん一人いなくなれば、あとは思想も理想もないチンピラ集団(政府の後ろ盾つき)が残るだけで、それこそカモカモみたいな人に好き勝手に利用されてしまうんだろう。
キャラクターへの愛情と、『でもこいつら、遠からずダメになるからね』って示唆を一緒に描ける空知は、なんかすげえなあ、と思うわけだ。
早いとこ近藤さんはヅラとのフラグを完全に立てて、覚醒したほうがいいと思う……近藤さんが覚醒するか否かは、銀魂ストーリーの最大ポイント。
- at 16:55
- in 戯言