2008年3月 7日
かんたん用語解説
将棋なんて知らないもん、という方向け用語解説。
<僕は、プロになりたいです>
■女流棋士
将棋にはプロの女性棋士は存在しません。制度はあるが、プロになれた女性がいない。よくいる『女流棋士』というのは、まったく別制度の存在です。プロのタイトル戦やトーナメントは女流棋士にも門戸が開かれてますが、プロ棋士に勝てた女流棋士はたったの五人。
ちなみに林葉直子はマジで強かった。あの人がずっと一線にいれば、いろいろ変わっただろうに。
■奨励会
プロ棋士養成機関みたいな。19歳まで受験資格があり、合格すると6級から始まる。21歳までに初段にならないと退会、26歳までに四段(プロ)にならないと退会。受験には、プロ棋士の師匠(推薦者)がいないとはダメ。
ここには女の子がごろごろいます。でもなぜか勝てないの。多分、脳の作りのせい。
■女流育成会
女流版奨励会。ぶっちゃけ師匠がいて金を積めば入れるんだけど。
■真剣師
賭け将棋で生計を立てる人。雀師みたいな。詳しくは『ハチワンダイバー』を読み、小池重明を調べろ。
■アマ四段
ネット将棋とか将棋道場でバケモノみたいに強い人がいたら、大体その人がアマ四段程度。県大会代表とか。それでようやく、奨励会を『受験できる』レベル。
■プロ編入試験
簡単に言うと、『アマ名人とかアマ竜王とか取った人は、試験を受けて合格すれば奨励会の三段と同じ扱いしてあげるよ』、もしくは『今までプロに勝率0.65以上あげてた人は、プロの一番下っ端扱いしてあげるよ』って制度。
今までも特例での編入はないことなかったが、きちんと制度化されたのはごく最近。
■舞台
『プロ編入試験って2006年からだよね』『竜王戦の昇段規定が、いろんな時代のが混ざってるよ?』『近藤さん、これだとストレートで勝ってないと21歳で退会になったんじゃないの?』
うるさい黙れ。とりあえず舞台は、2007?2008年です。竜王戦の昇段規定はマジに複雑なので、かなり単純化&創作してます。この話はフィクションです。近藤さんは2002年より前の合格者なんで、23歳まで猶予があったんです。細かいことは気にするな。
■この話ホモなの?
銀さんはホモです。
<対局があるんだ>
■棋聖戦
囲碁にも同じタイトルの棋戦があるけど無関係。毎年6?7月にやる。予選を勝ち抜いた挑戦者が、現タイトルホルダーと五番勝負します。五番勝負は、全国のいろんなホテルとかでやる。『古畑任三郎』の『汚れた王将』を思い出せ。
名人戦や竜王戦が二日がかりでやるのに対して、一日制の短期勝負。ヅラは体力がないもやしっ子なので二日制だとバテます。
■葬式
師匠の葬式と対局が重なることってあるのかなあ。さすがに休んでもよさそうだけどなあ。でも、タイトル戦だったら無理だよなあ。
そんな感じ。
<銀時! プロになれ!>
■将棋連盟のマスコット
いるのかな、って調べたらいなかった。つくりゃいいのに。なるぞうくんでいいじゃん。
■飛角銀桂
『銀桂』をぐぐったことがある人なら一度は目にしている言葉。
『攻めは飛角銀桂、守りは金銀三枚』。つまり、攻撃には飛車、角行、銀将、桂馬を使って、防御に金将二枚と銀将一枚使うのが一番バランスいいよ、って意味。
■二枚落ち
プロとアマが指すときなど、ハンデをつけるため上手がいくつか駒抜きで打つことがあります。そのときに、攻撃の要である飛車と角行を落とすこと=二枚落ち。
飛車は成ると『竜』、角は成ると『馬』になります。そういうこと。
■高給取り
A級棋士って、基本給60万以上+対局料が月給らしいよ。
正直、日本で10人しかいない天才の給料がそんなもんって少なすぎると思う。
■対局時計
チェスクロック。タイマーとスイッチが二個ついてて、カチって押すと相手のタイマーが動き出す。自分の手を指してカチ→相手の時計が動き出して、考えている間、持ち時間が減ってくという仕組み。便利。
公式戦だと計測係がいるので使わない。ちなみにその場合、持ち時間は1分単位で減っていくので、一手60秒以内に指せば持ち時間は減りません。それをやり続けて、持ち時間を一分も使わず勝っちゃったプロがいる。なんでそんなことしたかって、アイドルのコンサートに行くために。
その内、新八でこのエピソード使ってやろうと思っている。
■持ち時間
考える時間。局面が難しくなると、二時間三時間の長考は当たり前。それをずっと許してたらいつまでたっても終わらないんで、『お前、○時間以上考えてたら負けな』ってルールが出来た。
普通の対局だと、持ち時間オーバーしても即負けではなく、一手1分や30秒で指せばOK。それをオーバーすれば負けだけど。
ちなみに、加藤一二三九段は『(俺の持ち時間は)あと何分?』というのが口癖で、持ち時間がゼロになっても、『あと何分?』『一分です』『あと何分?』『一分です』というやり取りを繰り返して、ついに計測係が『一分だって言ってんだろ!』ってキレた。
その内、新八でこのエピソード使ってやろうと思っている。
■十秒将棋
一手10秒以内で指す将棋。吉田先生が早指しの人だったんで、ヅラも銀さんも早指しタイプです。でも、コレが強いからって、将棋全部が強いわけじゃない。
■将棋雑誌のグラビア
本当にある。棋士のグラビアが載ってる。別にえっちなのじゃなくて。
■棋士で同性愛者って聞いたことない
別にそうでもないみたいよ。
<この子から将棋を奪わないでやってください>
なんか、茶化す要素が見当たらなかった。
■飛香落ち
見てのとおり、飛車と香車を落とします。
■将棋の一番は名人
竜王戦は、新人からアマから女流まで全員にチャンスがあり、短期トーナメントでがーっとやるので、『そのとき、一番強いやつ』が分かります。
しかし、名人戦はまず順位戦でA級一位をとらなければならず、それはプロになってから最短でも5年かかります。A級にすらなれない棋士がほとんど。
つまり、名人は、長くずっと強くい続けないと取れないタイトルです。
ちなみに、A級に上がったことないのに、ほかのタイトル取っちゃったりする棋士もいます。いろいろです。
■フリークラス
順位戦のクラス分けで、C級2組の下。順位戦への参加資格なし。編入試験でプロになった人や、C級2組でも負け続けた人が入ります。10年以内にC級2組に復帰しないと引退。
でも、もっさんみたいにフリークラス宣言をした棋士はまた別で、もう順位戦に戻ることはできません。順位戦以外には参加でるけど、事実上、『もうマジメにはやんないよ』『レッスンとかに力入れるよ』みたいな宣言。
■休場
順位戦はお休みすることもできます。ヅラみたいなA級棋士の場合は、一回の休場では最下位扱いで残留できますが、連続で二回休むとB級1組に降格します。
<ようやくアンタと指せる>
■女流なんか大したことない
こういう扱いに耐えかねて、とうとう女流棋士が二団体に分裂してしまいました。難しいものだ。
■銀桂交換
ぎんづらがづらぎんになるわけではない。
銀将を取る代わりに、桂馬を相手に取らせること。もしくはその逆。通常は銀将のほうが価値が高いが、局面によって必要となる駒は違ってくるので、どっちが得かは場合による。
後に出てくる『角換わり』も、お互いの角を取り合う意味。将棋は持ち駒も戦力なので、『あえて取らせて取る』というのも戦術なのだな。
■桂の間
本当にあるよ。
■関西
将棋連盟は、東京、名古屋、関西とあって、奨励会は東京と関西にあります。三段リーグは東西混合ですが、二段までは完全に分かれているので、あんまりあっちこっち移動しない人は、東京(関西)の奨励会員や若手棋士の顔を知らないとか、結構あるみたい。
■居飛車振り飛車
飛車を最初にいる右側に置いたまま進めるのが居飛車、飛車を左側に振って進めるのが振り飛車。基本、将棋の戦法はどっちかに分類されます。
■己の名前が戦法に採用
個人的に一番『ない』と思う名前は『中田功XP』。XPはねえよ。
■二歩
縦に二つ歩が並んだら、反則負けだよ。と金は歩じゃないからいいよ。
『誰がそんなことやるんだ』ってくらい基本的な反則なんだけど、これで負けるプロが結構いるってんだから、おもわずやっちゃうんだろう。
私も時々やります(やるな)。
<駒と盤だけは裏切らない>
■早石田
石田彰が早いわけではない。
石田流という振り飛車戦法の一種。まあ、こんなふうに上手くはいかない。普通は角換わりになる。この場合は、相手が園児なので。
■7筋
将棋盤の右から七番目の縦筋。左からだと三番目。なので、ここに飛車がいると三間飛車。6筋=左から四番目にいると四間飛車。でも、5筋にいると中飛車。8筋にいると向かい飛車。ややこしい。
■玉金歩
八枚落ちの状態。通常手合いの駒落ちは6枚落ちまでですが、超初心者相手には8枚とか10枚とか落とすこともある。つーか、王様一枚でも勝つ人は勝つんだけど。
■大駒小駒
飛車角が大駒、それ以外の駒(玉以外)が小駒。飛車核は攻撃の要ですが、それだけでやっても勝てません。勝てないけど、なぜか飛車角で突っ込んでいっちゃう、それが人の浅はかさ。
■将棋はセンスや才能だけで勝てるゲームではない
碁だと勝てるらしいよ。よく知らないけど。
■永世名人
名人位を五期以上取ると永世名人の資格がもらえる。
他にも『永世ナントカ』という名前はありますが、普通は引退してから名乗るものなので、現役中に呼ばれることはありません。でも、あんまりにも成績がすさまじいと、ただ名人って言うのもアレなんでってことで、現役中でも呼ばれることがある。
ちなみに、本来は『十四世名人』とか『十五世名人』とか歴代の数字がつくんですが、さすがに二次創作中で本当の名人の称号を奪っちゃうわけにいかないんで、吉田先生はあくまで『永世名人』ってことでよろしく。
■大駒は離して打つ
飛車角は大きく動けるのが最大のポイントなので、伸び伸びと自由にさせてあげてください。でも、詰め将棋はその限りじゃない。
■プロ棋士になるってことは棋界を動かすってこと
将棋連盟の理事は全員プロ棋士です。賞金の配分とか運営とか、全部棋士自らがやってます。スポンサーはいるけど、野球みたいに親会社の意向であれこれってのはないし、外野に何か言われることもない。
■詰めろ逃れの詰めろ
玉が取れる場所に駒を動かすのが『王手』。
もうどうやっても玉が逃げられない『王手』が『詰み』。
もうどうやっても、相手が『王手』をかけてきたら『詰み』になっちゃう状態が『必至』。
このまま何もしないで相手が『王手』をかけてきたら『詰み』になるけど、まだなんとかする手段が残ってるのが『詰めろ』。
『詰めろ』の状態をぶち破って、相手に『詰めろ』をかけるのが『詰めろ逃れの詰めろ』。
で、合ってる、と思う。
分からなくていいです。私も書いてて混乱してきました。
自分でも混乱しそうなので、年表作った。
オレンジが弟子、水色が奨励会、ピンクがプロ、赤がタイトルホルダー。見て分かる通り、銀さんとまえらメイツと万斉は奨励会のほぼ同期です。顔見知り。
鴨くんはヅラにフルボッコされ続けていたのだろう。
ヅラの休業期間は、高杉君の子育てしてました。
- at 00:10
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