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2008年6月 2日

鳳日、萌え過ぎるだろう。

 鳳仙×日輪が余りにも萌え過ぎて、思わず書いてしまった……
 くそう、たまらんわぁ……悶えるわぁ……
 SSってほどじゃないので、戯言扱いで。


 なして、殺した。

 少女は人買いの亡骸に縋りつく。そのか細い身体を男どもの慰み者にしようと手を引いた男の背に縋りつく。

 このおんじさいなくなっても、おらが帰るところなんかねぇ。
 村さ、あまんとにやかれた。
 おっとうもおっかあも、戦にまきこまれてしんだ。
 山も畑もなくなった。
 おらがおんじさついていけば、ばんばや弟たちに米さくれるって。
 おらが働けば、毎月銭こさ送れるって。
 どうしてくれる。
 ばんばはめくらで働けねえ。
 弟はまだ三つだ。
 おらが養わなきゃなんねえのに。
 どうしてくれる。

 泥で汚れた幼い顔の中で、二つの瞳が爛々と輝いていた。
 怒りだ。
 己の覚悟を叩き潰された怒りに、その黒い眼が燃え上がっていた。
 日に焼けた小麦色の肌。まろやかな頬。少女というにもまだ足りぬ、十にも満たない幼子だった。
 少女が来た道を、その向こうの山を仰ぎ見る。見覚えがあった。
 三ヶ月前、自らの部隊が焼いた山だった。

 お前は、どこに連れて行かれるはずだった。

 おえど。江戸と言う名を聞いたことも無かったのだろう。その唇が紡ぐ音は、どこかたどたどしかった。

 じゃあ、無理だな。もう江戸吉原はねえ。俺たちが焼いた。

 少女の目が、くわっと見開かれる。自らの故郷だけではなく、働く場所までを奪ったものに対しての激怒が燃えていた。

 バカめ。お前は騙されたんだよ。そこらの道っぱたでコイツに犯されて、縊り殺されて川に捨てられるところだったんだよ。

 へらへらと嘲笑してやる。幼い顔には、すでに殺気と言っていいほどの怒りが湛えられていた。
 純粋で、真っ直ぐで、美しい炎だった。

 そんなに身売りがしてぇなら、ついてきな。幸い、うちにゃその手の商売がゴロゴロしててな。
 なに、騙しゃあしねえよ。お前を殺すより、お前を生かしといたほうが金になる。

 手を伸ばす。まだ返り血が乾いてない赤い手を、躊躇いも無く少女は握った。
 激情を隠さぬまま、それ以外に己が生きる術は無いのだと、冷静に少女は判断した。
 これが、この星の、女か。
 全ての運命を受け入れ、理不尽な悲劇を受け入れ、不条理な世界を受け入れ、
 それでも苛烈に生きるもの。

 お前はそんなに吉原で働きたかったのか。

 こくり。

 おえどさ行けば、毎日米さ食えるって。
 べべこさあつらえてくれるって。
 銭こさ貯めて、仕送りができるって。

 そうかい。なら、作ってやるよ。
 お前の吉原を作ってやるよ。