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2005年07月27日

料理は化学だ[日記]

業界の法則に逆らう食品とは?(まなめはうすより)
 うどんは、冷凍がおいしい、と言う話。一人暮らしっ子には常識ですね。冷凍うどんウマー。

 で、なんで冷凍うどんが美味いのか、と言うと。
 うどんは言うまでもなく、小麦粉の塊です。それがなんで、あんなにもちもち美味しくなるかと言うと、茹でるからです。当たり前だ。
 うどんを構成する栄養素は、でんぷん、水分、たんぱく質(グルテン)です。そして、でんぷんは熱を加えると粘りが出て(糊化)、グルテンは硬くなります。それがバランスよく組み合わさると、もちもちしこしこになるのですな。

 そして、そのもちもちバランスを成り立たせるには、
1)でんぷんの急速な糊化
2)配列の良いグルテンの網目
 が、必要です。

 まず、でんぷんの糊化についてですが、でんぷん自体は非常に水に溶けやすく、また組織が崩れやすい物質です。故に、『短時間で』『急速に』『ゆったりと』茹で上げるのが理想的な糊化条件と言えます。
 そのために必要なのは、うどんを投入しても温度が下がらない、そしてうどん同士がこすりあわないための、『高温なお湯』『でっかい鍋』『高出力の火力』となります。
 つまり、家庭用ガスコンロでは到底望めないほどの、高火力が必要なのです。大鑑巨砲主義。
 冷凍うどんは、もちろん工場のでっかい釜で茹でられた上で冷凍されているので、その時点で家庭で茹でた生うどんとは違います。おわかりいただけたでしょうか。

 次にグルテンの網目です。グルテンは適度な力でしっかりと捏ね上げ、かつゆっくり寝かすことによって規則正しい網目をつくります。網目が均一になれば、それだけ骨組みがしっかりするわけですから、しこしこと歯ごたえが出るわけです。
 さて、分子というものは、低温のほうが規則正しく並ぶというのは常識であります。つまり、生うどんが『規則正しいグルテンの網目の中に、無秩序に水分が紛れ込んでいる』状態なのに対し、冷凍うどんは『規則正しいグルテンの網目の中に、規則正しく水分が入り込んでいる』状態なわけです。
 で、これをゆでる(=解凍)とどうなるか、というと、生うどんが『グルテンの合間にどんどん水が入り込んでくる』なのに対して、冷凍うどんは『隙間の水分が解凍される』わけです。隙間で水分が長時間暴れまわる生うどんに対し、隙間の水分がさっと溶けて一瞬で茹で上がる冷凍うどん。どちらが組織を壊しにくいかは自明の理。
 そして、上でも書いたとおり、短時間で茹で上がるということは、その分だけ、でんぷんも流れにくいわけです。

 つまり、うどんの旨さというのは、『茹で方』で80%決まってしまうのです。
 美味しい生うどんを家庭の貧弱な火力で茹でるよりも、強い火力で茹でられた冷凍うどんをすばやく解凍するほうが『てんぷんの糊化』『グルテンの網目』の両方の目から見ても、断然美味しいわけです。
 カップうどんでも、お湯注いで3分待つタイプより、『ごんぶと』のような湯切りタイプのほうが旨いのも、同じ理由と思われます。ごんぶと、うめーよなー。
 まあ、あれだ、お分かりいただけたでしょうか。

投稿者 アミ : 2005年07月27日 14:57

コメント

冷凍麺の場合タピオカでん粉の役割も大きいと思われ
URL参照(冷凍と乾麺、どっちがダイエット・・の項)

投稿者 黒鳥 : 2005年07月29日 00:03

トラックバックの使い方がよくわかっていなかったです。。。
トラックバックしてませんので削除していただいても結構です^^;

冷凍のうどんがうまいのはそういう理由があったんですか^^
確かに家庭でゆでた生うどんよりも冷凍うどんのほうがおいしいですものね。
( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェー98ヘェw

投稿者 変態長 : 2005年08月03日 14:08

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